Intraoral Scanner
神戸市西区の歯医者 榎本歯科医院
粘土のような型取り材をお口いっぱいに入れる、あの歯型取り。 当院では、小さなカメラで歯の形を光で読み取る「光学印象」に対応しました。 型取り材を使わないので、えずきにくく、お口の中の不快感を抑えられます。
Before
「歯の型取りが苦手」という方へ
歯科治療のなかでも、型取りが苦手だとおっしゃる患者様は少なくありません。
えずいてしまう奥歯まで材料が入ると、どうしてもオエッとなってしまう。
固まるまでが長い口を大きく開けたまま数分間じっと待つのがつらい。
やり直しになる気泡やズレが入ってしまい、もう一度型を取ることになった。
What is it
光学印象(こうがくいんしょう)とは
口腔内スキャナーを使って、歯型を「データ」で採る方法です。
光学印象とは、ペン型の小さなカメラ(口腔内スキャナー)をお口の中で動かし、 歯や歯ぐきの形を光で読み取って、そのまま3次元のデータとして記録する歯型取りの方法です。 歯科では歯型を採ることを「印象採得(いんしょうさいとく)」と呼び、 光を使うことから光学印象、英語の頭文字からIOSとも呼ばれます。
従来は、トレーに入れた印象材(粘土やゴムのような材料)をお口に入れて固め、 その型に石膏を流して模型をつくっていました。光学印象では、この工程を数分間のスキャンに置き換えます。 お口の中に入るのはカメラの先端だけで、材料が固まるのを待つ時間もありません。
どうやって形を読み取っているの?
スキャナーの先端から歯の表面に特殊な光のパターンを投影し、 それがどのように歪んで映るかを高速で撮影します。撮影した何千枚もの画像をコンピューターが即座につなぎ合わせることで、 歯の凹凸・歯ぐきのライン・上下の噛み合わせまでを立体データとして再現します。 レントゲンのような放射線は使いませんので、妊娠中の方でも受けていただけます。
Bite Analysis
上下の歯型を重ね合わせ、噛み合わせがどこでどのくらい強く当たっているかを色で確認できます(イメージ図)
採ったデータは、そのまま治療に使われます
スキャンしたデータは、ネットワークを通じて歯科技工所へ送られ、詰め物や被せ物の設計・製作に使われます。 石膏模型を運ぶ必要がないため、輸送中の破損や変形の心配がありません。 また、データは院内で保管でき、数年後に同じ形をもう一度確認したいときにも役立ちます。
Comparison
従来の型取りと光学印象のちがい
どちらにも適した場面があります。当院では治療内容に応じて使い分けています。
| 項目 | 従来の型取り(印象材) | 光学印象(口腔内スキャナー) |
|---|---|---|
| 使うもの | トレーと印象材、石膏模型 | ペン型カメラのみ(印象材・石膏は不要) |
| お口の中の感覚 | 材料がお口いっぱいに広がり、のどの奥に触れることがある | 先端の細いカメラが歯の表面をなぞるだけ |
| かかる時間 | 材料が固まるまで口を開けたまま待つ時間が必要 | 数分程度のスキャンで完了(範囲により異なります) |
| 途中での確認 | 型を外してから、目視で気泡やズレを確認 | スキャン中にモニターでその場で確認できる |
| やり直し | 不備があれば最初から採り直し | 足りない部分だけを追加でスキャンできる |
| ご説明 | 模型ができてからのご説明になる | スキャン直後に3D画像を一緒に見ながらご説明できる |
| 保管 | 石膏模型を保管する(劣化・破損の可能性) | データで保管し、経過の比較にも使える |
Benefits
口腔内スキャナーを使うメリット
患者様の負担を減らすだけでなく、治療の精度やご説明のわかりやすさにもつながります。
えずきにくい
お口の中に入るのはカメラの先端だけです。印象材がのどの奥に流れ込むことがないため、嘔吐反射が出やすい方の負担を抑えられます。
大きく口を開け続けなくてよい
材料が固まるのを待つ必要がありません。途中で口を閉じて休憩することもできるため、顎に不安のある方やお子様にも配慮できます。
その場で画面を見ながら説明
スキャンした3D画像をモニターに映しながら、削った部分・噛み合わせ・歯ぐきの状態などをご一緒に確認いただけます。
不足部分だけ追加できる
読み取れていない箇所があっても、その部分だけを追加でスキャンできます。最初からやり直しになる回数を減らせます。
模型の保管・変形の心配がない
石膏模型のように割れたり、時間とともに変形したりすることがありません。データとして残るため、過去との比較にも活用できます。
衛生面に配慮しやすい
お口に触れるスキャナーの先端(チップ)は、患者様ごとに交換し、高圧蒸気(オートクレーブ)で滅菌して繰り返し使用します(1本あたり最大100回まで)。
Equipment
口腔内スキャナーを導入しました
お口の型取りに、粘土のような材料を使わない方法をご用意しています。
当院が導入したのは、手のひらに収まるくらいのペン型の機器です。 先端から光を当てながら歯の表面をなぞっていくと、その形がそのまま画面に立体で映し出されます。 お口の中で光っているだけなので、痛みや熱さを感じることはありません。 削ったり、押さえつけたりする処置でもありません。
コードがつながっていません
機器とパソコンをつなぐケーブルがありません。診療の途中で体を起こしたり、向きを変えたりしても、そのまま続けられます。長く同じ姿勢を保つのがつらい方や、お子様、ご高齢の方にも合わせやすい機器です。
お子様から、歯が残っていない方まで
お口に入る先端は、大きさの違う3種類を用意しています。お口の小さなお子様には小さいもの、歯が残っていない方には広い範囲を写せる大きいものに取り替えて使います。
粉を吹き付けません
機種によっては、読み取りやすくするために歯へ白い粉を吹き付けるものもあります。当院の機器はその必要がなく、歯をそのままの状態で読み取れます。
噛み合わせも一緒に
上下の歯を噛んだ状態でも読み取れます。詰め物や被せ物の高さを合わせるときに役立ち、「入れたあとに噛みにくい」を減らすことにつながります。
お口に触れる部分は、患者様ごとに交換します
先端は患者様ごとに取り替え、高圧蒸気(オートクレーブ)で滅菌したものを使用します。本体に直接お口が触れることはありません。またケーブルが診療台のまわりを横切らないため、器具や台の清掃もしやすくなっています。
※ お口の状態や治療内容によっては、従来の型取りのほうが適していることもあります。その場合は理由をご説明したうえで方法を決めさせていただきます。
Application
こんな治療で活用しています
お口の状態や治療内容によって、光学印象と従来の型取りを使い分けています。
01詰め物・被せ物
むし歯治療のあとのインレー(詰め物)やクラウン(被せ物)の製作に使用します。スキャンデータをそのまま技工所へ送り、設計・製作を行います。
02マウスピース型の矯正装置
透明なマウスピースを使った矯正では、歯列全体を正確に読み取る必要があります。光学印象は、こうした装置の製作と相性のよい方法です。
03ナイトガード・マウスガード
歯ぎしり・食いしばり用のナイトガードや、スポーツ用のマウスガードの製作にも活用しています。
04インプラントの上部構造
インプラント治療で歯の部分(上部構造)をつくる際、スキャン用の部品を取り付けて位置を読み取ります。
05入れ歯の製作・調整
歯が残っていない方のお口の形も読み取れる大きめの先端を備えているため、入れ歯の設計にもデータを活用できます。お口の状態によっては従来の型取りを併用します。
06お口の記録・経過の確認
治療の前後や定期検診時にスキャンしておくことで、歯のすり減りや歯ぐきの変化を、後から見比べて確認できます。
※ マウスピース型矯正装置による矯正治療は自由診療です。治療期間・費用のほか、 装置の装着時間を守っていただく必要があること、歯の移動に伴う痛みなどのリスクについては、 診察のうえで個別にご説明します。
Flow
スキャンの流れ
全体でおおむね10〜20分程度です(スキャンする範囲や治療内容によって異なります)。
お口の中を整えます
歯の表面の汚れや水分を軽く取り除きます。歯ぐきから出血がある場合は、先に落ち着かせてからスキャンします。
目安 2〜5分スキャンします
ペン型のカメラを歯に沿ってゆっくり動かします。途中でお口を閉じて休憩していただいても、続きから再開できます。上下の歯列と、噛み合わせをそれぞれ読み取ります。
目安 3〜10分画面で確認します
できあがった3D画像をモニターに映し、読み取れていない箇所がないかを確認します。同時に、歯の状態を患者様と一緒に見ながらご説明します。
目安 3〜5分データを送り、製作します
問題がなければ、データを歯科技工所へ送信します。次回のご来院時に、できあがった詰め物・被せ物をお口に合わせます。
後日ご来院Please note
従来の型取りをおすすめする場合もあります
光学印象はすべての治療に使えるわけではありません。次のような場合は、従来の方法で型取りを行います。
- 歯ぐきの深い位置まで治療が及んでいる場合 カメラの光が届かない部分は読み取れません。歯ぐきの奥まで削っている場合は、従来の印象材のほうが確実なことがあります。
- 出血や唾液が多い場合 表面が濡れているとデータの精度が落ちます。歯周病の治療を先に行ってから、あらためてスキャンすることがあります。
- お口を開けるのが難しい場合 顎関節に強い痛みがある方など、開口量が限られている場合は、お口の状態に合わせた方法を検討します。
- 治療内容によって、模型が必要な場合 補綴物の種類によっては、制度上または技術上、石膏模型を用いた製作が必要になるものがあります。担当医からご説明します。
どちらの方法が適しているかは、お口の状態を拝見したうえで判断し、事前にご説明いたします。ご不明な点は遠慮なくお尋ねください。
Fee
費用・保険適用について
保険診療で受けられる場合
光学印象は、白い詰め物・被せ物(CAD/CAMインレー、CAD/CAM冠)を製作する際の型取りとして、 一定の要件を満たした歯科医院で保険適用の対象となっています。 対象となるかどうかは、治療する歯の位置や噛み合わせの状態などによって決まります。
自由診療となる場合
マウスピース型の矯正装置やセラミックの被せ物など、自由診療の治療に伴うスキャンは、 その治療費に含まれます。スキャンそのものに別途料金をいただくことはありません。
ご負担について
保険が適用される場合の窓口負担は、従来の型取りと大きく変わるものではありません。 実際の費用は治療内容によって異なりますので、治療を始める前に必ずお見積りとご説明を行います。
※ 保険適用の範囲や点数は診療報酬改定により変更される場合があります。最新の取り扱いは受診時にご確認ください。
FAQ
よくあるご質問
スキャン中に痛みはありますか?
スキャナーが歯や歯ぐきに軽く触れることはありますが、歯を削る処置ではありません。歯ぐきに炎症がある場合など、触れたときに違和感を覚えることがありますので、気になるときはすぐにお知らせください。
放射線を使いますか。妊娠中でも大丈夫ですか?
光学印象は可視光を使って形を読み取る方法で、レントゲン撮影のような放射線は使用しません。妊娠中の方にも受けていただけます。ご不安な点があれば、事前にご相談ください。
金属の被せ物が入っていてもスキャンできますか?
スキャンは可能ですが、金属は光を強く反射するため、天然の歯に比べて読み取りにくい場合があります。状況に応じて、スキャンの仕方を工夫したり、従来の型取りに切り替えたりして対応します。
どのくらい時間がかかりますか?
スキャンそのものは数分程度、準備とご説明を含めておおむね10〜20分が目安です。スキャンする範囲や治療内容によって前後します。
子どもでも受けられますか?
小児用の小さなチップをご用意しています。途中で休憩を挟みながら進められるため、お子様にも受けていただきやすい方法です。年齢やお口の状態によっては、従来の方法をおすすめすることもあります。
スキャンした歯型のデータはどうなりますか?
詰め物・被せ物の製作のため、提携する歯科技工所へ送信します。データは診療記録の一部として院内で適切に管理し、患者様の同意なく治療目的以外に使用することはありません。
他院で治療中ですが、スキャンだけ受けられますか?
スキャンは治療の一環として行うものですので、まずはお口の状態を診察させていただいたうえでご相談となります。転院や併診をお考えの場合も、一度ご来院のうえお申し出ください。
従来の型取りを希望することもできますか?
もちろん可能です。どちらの方法にも適した場面がありますので、ご希望とお口の状態をふまえて相談のうえ決定します。
型取りが苦手な方も、まずはご相談ください
お口の状態を拝見し、光学印象が適しているかどうかを含めてご説明いたします。神戸市西区・持子の榎本歯科医院。
