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歯周病

歯周病は気がつかないうちに進行してしまいます。
歯周病は普段、症状がほとんど見られないため、糖尿病や高血圧症などと同じく“Silentdisease”と呼ばれます。
患者さんが自覚していないことも多く、そのために治療が終わったあとも、特に症状がないから大丈夫と思い込み、定期検診をおろそかにしてしまう方が多くおられます。

歯周病治療は治るまでが治療ではなく、その後のメインテナンス治療も治療の一部であり、歯を残すために非常に重要であることをご理解頂き、私たちとともに歯周病を治していきましょう。
30歳以上の約8割が歯周病と言われています。8割という数字は、厚生労働省実施の「歯科疾患実態調査」がもとになっています。重度の歯周病は40歳代から増えていくために、中高年の病気というイメージがあるかもしれませんが、歯周病に特徴的な歯肉の所見(歯周ポケットがある、歯石の沈着、歯周ポケット測定後の出血)がある人の割合を調査したところ、20歳~34歳で約6割となっており、若年層にもみられます。

歯周病は進行するまで症状がないことや、歯肉の内側は見えにくいため、進行しても自覚症状が少ないため、気がついた時には重症化してしまっているケースが多くみられます。
早期発見・早期治療のためには、歯周病の症状が無いうちから定期検診を受けることが重要です。

歯周病の主な原因は

歯垢(プラーク)中の歯周病原因菌です。
歯垢が歯と歯肉の間に残ってしまうと、歯肉に炎症を起こしていきます。
そのほか、“生活習慣” ・”過大な嚙む力”も歯周病を悪化させる要因になります。

治療方法

ブラッシング指導
歯周病の予防や改善には、毎日の正しいブラッシングが重要になります。
患者様一人ひとりのお口の状態に合わせて、最適なブラッシング方法の指導から歯ブラシや歯みがき剤の選び方もアドバイスいたします。

スケーリング
スケーリングとは、スケーラーという器具を使用して、歯の表面に付着している歯垢や歯石を取り除く治療です。
毎日のブラッシングでは除去することが難しい歯垢や歯石を徹底的に除去することで、歯周病が進行してしまうリスクを軽減することができます。

2種類の処置を組み合わせた治療です。
まずスケーリングで歯石や細菌の塊を除去し、その後ルートプレーニングで歯周ポケット内部の歯石や象牙質、汚染されたセメント質を除去して、歯の表面をツルツルに仕上げます。

再生療法(リグロス)
リグロスの成分には細胞を増やす作用があり、歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進することができます。
フラップ手術で、プラークや歯石を除去した後に歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布することで歯周組織の再生を促していきます。

歯周外科治療
歯周病が進行し、歯を支えている歯槽骨が破壊されてしまうと、SRPでは歯石を取り除くことが難しくなってしまいます。
その場合には、歯の根を露出させてから歯石を取り除く外科治療を行います。

歯周病治療の原則

  • プラーク・歯石を除去する
  • プラークコントロールしやすい環境を作る
  • ブラッシングの強化
  • メインテナンスをしなければ再び感染する

歯周病と全身疾患のかかわり

歯周病は全身の疾患と大きく関わっています。
お口の中の歯周病菌が血液を通じて体内に入ってしまうと全身疾患の原因になってしまう可能性があります。
全身の健康のためにも、歯周病になる前に予防しましょう。

歯周病と「心臓病」
歯周病のある人が、心臓病(狭心症、心筋梗塞など)になる確立は歯周病のない人に比べて1.5~3倍に上がることが分かっています。

歯周病と「早産」
歯周病のある人が、低体重児を早産する確立は歯周病のない女性の7倍になることが報告されています。

歯周病と「糖尿病」「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」
糖尿病が歯周病を起こしやすくすることは分かっていましたが、歯周病が糖尿病患者の血糖値コントロールに影響を与える可能性があると報告されています。
例えば、糖尿病を有する歯周病患者に対して抗生物質を変容した歯周治療を行ったところ、術後に血糖値が改善した報告があります。
また、口の中の細菌と「骨粗鬆症」との因果関係も分かってきています。

歯周病と「肺炎」
高齢者の方が歯周病の原因菌を吸い込むと「誤嚥性肺炎」を起こしやすいです。
この肺炎は現在の死亡率の上位です。